歌手のいない名曲が、楽団の名前を覚えさせる。
The Manzanilla Soundの「Ain’t No Mountain High Enough」は、1971年のGNP Crescendo盤に収められた器楽のカヴァー。看板の向こうにいるのは、英国のトランペット奏者でバンドリーダーのRay Davies。歌の記憶から、楽団の表現へ耳を移す一曲だ。
- 発売年
- 1971年
- 国・活動圏
- イギリス
- 参照盤の発売国
- アメリカ
- ジャンルの手がかり
- イージー・リスニング / オーケストラ・ポップ
- 参照したレコード
- The Manzanilla Sound — GNP Crescendo GNPS 2058
- 制作・録音年
- 未確認
RayDaviesをKinksの人物と混同しない。1970年とする個別店記載よりカタログ+原盤1971一致を採用。
Manzanillaという名の向こうに
レーベルのディスコグラフィーは、GNPS 2058を1971年のManzanilla、すなわちRay Daviesの盤として記録する。ここでのDaviesはThe Kinksの人物ではなく、Button-Down Brassも率いた演奏家だ。同じ名前に惑わされずに人物をたどると、楽団ごとに違う名札を持つイージー・リスニングの世界が見えてくる。 [1] [2]
ポップスの棚を、一枚で横断する
アルバムには「Close to You」「Make It with You」「I Just Can’t Help Believin’」なども並ぶ。本曲はA面5曲目。歌手のヒット曲を集めた編集盤ではなく、それらを一つの楽団の音へ迎えるアルバムである。歌詞に導かれていた旋律を器楽へ置き換える時、どの楽器が前へ出るかで、同じ曲にも新しい人物像が生まれる。 [1] [3]
声の空席に、何が現れるか
曲を知っている人なら、頭の中で歌を補いながら聴く回と、歌の記憶を少し脇へ置く回を作ってみよう。主旋律を受け持つ音、返事をする音、リズムを整える音。その役割の分担を探すと、伴奏という一語で済ませられない楽団の工夫が見つかる。歌をカヴァーするのは歌手だけではない。レコードの表に掲げられたManzanillaという名前にも、耳が親しんでいく。
聴き方の提案は、この曲を楽しむための鑑賞ガイドです。
関連曲を、棚の中から。
出典と資料メモ
年は確認できた最も早い発売年を採用。活動国と盤の発売国、再発年は分けて記録しています。
- Both Sides Now — GNPディスコグラフィー ↗
1971年GNPS2058、Manzanilla=RayDavies、本曲を含む全曲目。
- AllMusic — Swingin’ Cheese解説 ↗
英国トランペット奏者RayDaviesとManzanillaの関係、Kinks同名人物との区別。
- Audiophile USA — GNPS2058原盤 ↗
1971年盤と本曲収録位置の実物資料。
資料確認日 2026-10-26 · 解説は確認資料の範囲で更新します。