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歌劇「トゥーランドット」より 誰も寝てはならぬ
プッチーニ最後の歌劇『トゥーランドット』第3幕で、王子カラフが夜明けの勝利を確信して歌う名アリアです。静から高揚へ進む旋律が魅力です。
作曲の経緯
『トゥーランドット』はプッチーニ最後のオペラで、1924年の作曲者の死により未完のまま残され、終盤はフランコ・アルファーノが補筆しました。台本はアダーミとシモーニです。冷酷な姫トゥーランドットは求婚者に三つの謎を課し、解けなければ処刑します。王子カラフは謎を解くが姫は結婚を拒み、そこで彼は夜明けまでに自分の名を当てられたら命を差し出すと申し出ます。姫は国中に、名が分かるまで誰も眠ってはならぬと命じます。第3幕の冒頭、月明かりの宮殿の庭にひとり立つカラフが、遠くで響く触れ役の声を聞きながら、夜明けの勝利を確信して歌うのがこのアリアです。なおこの旋律は、アルファーノ版の終幕で凱旋的に再登場します。
出版・初演
歌劇『トゥーランドット』は1926年4月25日、ミラノ・スカラ座で初演されました(指揮トスカニーニ、カラフ役ミゲル・フレタ)。楽譜出版はリコルディです(声楽譜の版元として英Wikipedia脚注に記載)。
題名・通称の由来
歌い出しのイタリア語 Nessun dorma(誰も寝てはならぬ)に由来します。日本でもこの和訳が通称です。
構成分析
- 冒頭 触れ役の声を受け、姫も眠れぬ夜を過ごしているだろうと語りかけます。
- 中間部 自分の名は胸の内に秘めたまま、夜明けに口づけで告げようと確信を示します。
- 女声合唱 遠くから名は誰にも分からず、我々は死ぬのだと嘆く声が重なります。
- 結び 夜よ去れ、星よ沈めと呼びかけ、夜明けの勝利を高らかに宣言します。
音楽的特徴
最後の「勝利」を意味する語で高音が長く保たれる演奏慣習があるが、プッチーニの楽譜に明示された指示ではないと英Wikipediaは記します。
演奏のポイント
静かな歌い出しから、合唱を挟んで最後の高音に向けて一気に高揚する流れを聴きたいです。
この音源について(収録エピソード)
この全曲盤は1972年にロンドンのキングスウェイ・ホールで録音されました。録音は名エンジニア、ケネス・ウィルキンソンらのチームが手がけたマルチトラックのマスターテープに基づきます。ガイド役のカラフにパヴァロッティ、トゥーランドットにサザーランド、リューにカバリエ、ティムールにギャウロフが配されました。サザーランドの起用は当初意外とされたが、重厚な声が役に合うと評されています。グラモフォン誌の評者は、キングスウェイ・ホール録音の中でも屈指の実在感があると述べました。
音源の投稿元(Zubin Mehta - Topic)はoEmbedで確認済みです。パヴァロッティ/メータ指揮の1972年デッカ全曲盤由来と推定されるが、トラックとの対応は未確認です。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。
録音
実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。
- ルチアーノ・パヴァロッティ(指揮ズービン・メータ、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団)(1972)
デッカ。ジョーン・サザーランド、モンセラート・カバリエらとの全曲盤です。1990年W杯BBC中継のテーマに用いられ英国シングルチャート2位です(英Wikipedia)。 - 三大テノール(パヴァロッティ、ドミンゴ、カレーラス)(1990)
W杯決勝前夜のローマ公演です。以後1994、1998、2002年のW杯決勝でも歌われました。
映画・ドラマ・アニメ
- Yes, Giorgio(1982)
場面未確認です。 - ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション(2015)
場面未確認です。
CM
- ラバッツァ(コーヒー)
2009年のキャンペーンでアントニー・ヘガティ(アノーニ)が歌っています。
教科書・鑑賞教材
教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。
関連作品
- 歌劇『トゥーランドット』より「氷のような姫君の心も」
- 歌劇『トゥーランドット』より「泣くなリュー」
- 三大テノール
- トリノ五輪2006開会式
同じ作曲者の曲
トリビア
- 2006年トリノ冬季五輪開会式でパヴァロッティが歌ったが、寒さのため事前録音への口パクだったことが後に明かされました(英・日Wikipedia)。
- 1998年グラミー賞では、体調不良で出演できなくなったパヴァロッティの代役としてアレサ・フランクリンがこのアリアを歌いました。
- 2019年にJR東日本が上野駅の発車メロディにこの曲を1か月間使用しました(英Wikipedia)。