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アラベスク第1番(2つのアラベスクより)
流れる装飾的な音型と柔らかな和声が特徴の、若きドビュッシーによる初期ピアノ曲です。唐草模様という題名も素敵です。流れる音型の曲線を、耳でなぞるように楽しめます。
作曲の経緯
2つのアラベスクは、ドビュッシーが20代だった1888年から1891年の間に書かれたピアノ曲で、作曲の細かい経緯は今回の出典では確認できていません。印象派的な語法の初期の例とされ、旋法や調の間をさまよいながら情景を描く点に後の作風の萌芽があります。ドビュッシーはアラベスクを自然の法則にかなった曲線と捉えていたとされ、同時代のアール・ヌーヴォーが自然の形を讃えたことと響き合います。出版はデュラン社から、初版は1891年11月、第2版は1904年に出ました。
出版・初演
デュラン社、初版1891年11月、第2版1904年です。
題名・通称の由来
アラベスク(唐草模様)に由来します。ドビュッシーは、自然の理にかなった曲線の美を音楽に重ねました。
構成分析
- A部 第1転回形の三和音を平行に動かす書き出しです。続いて左手のアルペッジョと右手のホ長調五音音階の下降が続きます。
- B部 やや静かなイ長調です。E–D–E–C♯の動機で始まります。
- B部の終わり 同じ動機をハ長調に移してフォルテで力強く示します。
- A部の再現 途中で高音域へ移って下り、五音音階の大きな上行・下行を経てホ長調に戻ります。
音楽的特徴
和音の平行移動や五音音階を使い、調性感を柔らかく揺らします。流れる装飾的な音型が全体を貫き、アラベスクの名にふさわしい曲線的な線を描きます。
演奏のポイント
細かい音型を均一に流しつつ、各部の性格の違いを出すことが大切です。B部の静けさと、ハ長調に移る箇所のフォルテとの落差を明確にすると、再現部がより華やぎます。
この音源について(収録エピソード)
2018年9月発売の『Memory』は、記憶とは何かを静かに見つめる小品集です。ショパン、ドビュッシー、サティ、シルヴェストロフの短い曲を並べ、グリモーはこれを時間をとらえた結晶のような小品の連なりと表現しました。個人的な思い出ではなく、誰もが持つ意識としての記憶を探る意図だと語っています。音楽家ニティン・ソーニーが、この音に即興を重ねた続編『Memory Echo』も制作しました。『アラベスク第1番』は2曲目に置かれています。
音源の投稿元(Topic/レーベル公式)はoEmbedで確認済みです。「未確認」は出典で確認できなかった項目です。
録音
実在と年を出典で確認できたもののみ掲載しています。
確認できた出典はありません。
映画・ドラマ・アニメ
- All About Lily Chou-Chou(リリイ・シュシュのすべて)(2001)
劇中で使われたドビュッシー作品の一つです(場面は未確認)。
CM
確認できた出典はありません。
教科書・鑑賞教材
教科書・鑑賞教材での掲載を示す出典は確認できませんでした。
関連作品
- アラベスク第2番(ト長調)
- 夢(Rêverie)
- ベルガマスク組曲
同じ作曲者の曲
トリビア
- 第1番は、Star Gazers という番組のテーマ曲に使われました。
- 1974年の富田勲のアルバム『Snowflakes Are Dancing』にも収められています。
- 出版はデュラン社から2度行われました(1891年と1904年)。