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単純総合原価計算 — (修正)先入先出法で当月の作業を分けるの講義・例題

単純総合原価計算 — (修正)先入先出法で当月の作業を分けるをオリジナル解説・例題・演習で学ぶ。日商簿記2級・工業簿記、2026年度範囲。

日商簿記2級・工業簿記 / 2026年度範囲(2027年3月31日まで) / オリジナル教材

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平均法の次に、期間の境目を引く

第08章の平均法は期首原価と当月費用をまとめて配分しました。本章は、期首仕掛品を先にすべて完成する条件で、期末仕掛品を当月の費用から評価します。期首の原価は消えず、完成品へ引き継がれます。

扱うのは1種類・1工程、材料始点投入、加工比例発生、仕損等なしの(修正)先入先出法だけです。純粋先入先出法、正常・異常の仕損や減損、等級別・組別・工程別、連産品・副産物、標準原価計算は扱いません。第十一全体や2級全範囲の完成を意味しません。

現物数量を先に照合する

期首数量+当月投入数量=完成数量+期末数量。加工進捗度はこの現物の式には掛けません。本章では完成数量が期首数量以上で、期首分をすべて先に完成し、期末分は当月投入から生じると明示します。

完成数量から期首数量を引くと当月着手・当月完成の数量が分かります。この区別は作業量の理解に使いますが、完成品の由来別単位原価を維持する純粋先入先出法の計算は求めません。

当月の加工量を三つの場所で見る

当月の加工は、期首仕掛品の残作業、当月着手して完成した分の全加工、期末仕掛品に行った加工です。期首数量をB、完成数量をC、期末数量をE、期首・期末の加工進捗度をb・eとすると、当月加工換算量はB×(1−b)+(C−B)+E×eです。

整理するとC−B×b+E×e。期首で既に終わっているB×bだけを控除します。B全体を引けば残作業まで消え、何も引かなければ前期の作業を当月分へ混ぜます。

始点材料の換算量は加工と違う

材料は製造開始時に全量投入します。期首仕掛品の材料は前期に投入済みなので、当月追加材料の換算量は0です。期末仕掛品は加工途中でも材料は100%です。

当月材料換算量はC−B+Eで、この章の数量条件なら当月投入数量と一致します。加工進捗度を材料に掛けたり、材料と加工の換算量を足して共通の分母にしたりしません。

当月費用に当月作業量を対応させる

当月材料単価=当月材料費÷当月材料換算量。当月加工単価=当月加工費÷当月加工換算量。分子に期首原価を加えないのは、分母が当月の投入・作業だけだからです。

平均法は期首原価を含めた総額と完成・期末の換算量を対応させます。二つの方法の分子だけ、または分母だけを交換すると不整合になります。本章のすべての分母は正で、数値は端数処理なしに求められる条件です。

期末を評価し、完成総額を差し引きで求める

期末材料費=期末数量×当月材料単価。期末加工費=期末数量×期末加工進捗度×当月加工単価。二つを足して期末仕掛品原価にします。

完成品総合原価=期首原価+当月製造費用−期末原価。期首原価は当月単価には混ぜませんが、この総額計算には必ず含めます。合計が合うだけでなく、各費目の配分基準が正しいか確認します。

完成全体の単価と当月単価を区別する

修正先入先出法では完成品全体をまとめ、完成品総合原価÷完成数量で完成品1個当たり原価を求めます。これには前期から引き継いだ原価も含まれるため、当月材料単価+当月加工単価と必ずしも同じではありません。

期首由来の完成品と当月着手の完成品を別々の原価で把握・維持する純粋先入先出法は本章の対象外です。「完成品全体の単価を平均する」ことと「期末仕掛品を第08章の平均法で評価する」ことは別です。

資料の訂正と逆算を区別する

期首原価の金額だけが増え、数量・進捗度・当月費用が同じなら、本章の条件では期末原価は変わらず完成原価が増えます。一方、期首加工進捗度の訂正は当月加工換算量を変えるので、当月費用が同額でも加工単価を再計算します。

当月加工単価と当月換算量が分かれば、その積は当月加工費です。平均法の総加工費の逆算と混同し、さらに期首原価を引いてはいけません。期首原価が合計のみでも完成品総額は計算できますが、費目別の完成品原価まで不明な内訳を補ってはいけません。

完成と販売の記録を分ける

各費用を仕掛品へ集計済みなら、完成時には完成品総合原価だけを借方「製品」・貸方「仕掛品」で振り替えます。期末仕掛品の原価は仕掛品に残ります。

未販売なら売上原価は計上しません。材料や加工費を完成時にもう一度集計する必要もありません。本章の仕訳はこの完成振替のみで、販売、仕損、工場会計の独立などの処理を付け足しません。

照合と学習範囲の確認

数量の保存、材料・加工の当月換算量、当月単価、期末評価、完成総額の順で点検します。期末が0個でも期首の加工済み量は当月作業ではありません。ゼロ原価を求めた欄には0と記入し、未入力と区別します。

公式出題区分は2026年度に適用される2022年度版を参照しています。用語の補助確認には学術論文を使いましたが、設問は独自制作であり、公式問題や公式採点との同等性、合格可能性を保証しません。

例題

前期に済んだ加工を取り除く

同規格の製品1種類を一つの工程で製造し、単純総合原価計算の(修正)先入先出法を用いる。材料は始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。期首仕掛品はすべて先に完成し、期末仕掛品は当月投入分のみからなる。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他工程との振替・税金・端数処理はなく、材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首120個(加工25%)、投入680個、完成700個、期末100個(加工40%)。現物照合と当月の材料・加工換算量を求める。

解き方と答え
  1. 現物は120+680=700+100=800個。
  2. 当月加工は期首残90+当月着手完成580+期末40=710個相当。700−30+40でも710。
  3. 当月材料は700−120+100=680個相当。

当月材料680個相当、当月加工710個相当。

材料費だけで期首繰越を確認する

同規格の製品1種類を一つの工程で製造し、単純総合原価計算の(修正)先入先出法を用いる。材料は始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。期首仕掛品はすべて先に完成し、期末仕掛品は当月投入分のみからなる。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他工程との振替・税金・端数処理はなく、材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首100個(加工50%)、投入500個、完成450個、期末150個(加工20%)。材料費は期首4,000円・当月35,000円。材料費だけを配分し、加工費金額は求めない。

解き方と答え
  1. 当月材料換算量450−100+150=500個、当月単価35,000÷500=70円。
  2. 期末材料150×70=10,500円。
  3. 完成材料4,000+35,000−10,500=28,500円。完成450×70ではない。

当月材料単価70円、期末材料10,500円、完成材料28,500円。

期首ありの材料・加工をまとめて配分

同規格の製品1種類を一つの工程で製造し、単純総合原価計算の(修正)先入先出法を用いる。材料は始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。期首仕掛品はすべて先に完成し、期末仕掛品は当月投入分のみからなる。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他工程との振替・税金・端数処理はなく、材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首240個(加工50%)、投入760個、完成800個、期末200個(加工40%)。材料費は期首12,000円・当月45,600円、加工費は期首6,000円・当月60,800円。

解き方と答え
  1. 当月材料760個相当、単価60円。当月加工800−120+80=760個相当、単価80円。偶然分母が一致しても二つの費目は別々に求める。
  2. 期末材料12,000+期末加工6,400=18,400円。
  3. 完成品12,000+6,000+45,600+60,800−18,400=106,000円。

期末18,400円、完成106,000円。総原価124,400円と一致。

完成品全体の単価は当月単価の和とは限らない

同規格の製品1種類を一つの工程で製造し、単純総合原価計算の(修正)先入先出法を用いる。材料は始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。期首仕掛品はすべて先に完成し、期末仕掛品は当月投入分のみからなる。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他工程との振替・税金・端数処理はなく、材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首100個(加工40%)、投入900個、完成900個、期末100個(加工50%)。材料費は期首7,100円・当月63,000円、加工費は期首4,000円・当月72,800円。完成品全体の単位原価まで求める。

解き方と答え
  1. 当月材料単価70円。当月加工換算量900−40+50=910個、当月加工単価80円。
  2. 期末原価100×70+50×80=11,000円。完成原価146,900−11,000=135,900円。
  3. 完成全体135,900÷900=151円/個。当月単価の和150円とは異なる。

完成品総合原価135,900円、完成品全体の単価151円/個。

当月単価から集計漏れを復元する

同規格の製品1種類を一つの工程で製造し、単純総合原価計算の(修正)先入先出法を用いる。材料は始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。期首仕掛品はすべて先に完成し、期末仕掛品は当月投入分のみからなる。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他工程との振替・税金・端数処理はなく、材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首160個(加工25%)、投入640個、完成700個、期末100個(加工50%)。材料費は期首8,000円・当月38,400円、期首加工費3,200円。当月加工単価60円/換算量1個が判明している。当月加工費、期末原価、完成原価を求める。

解き方と答え
  1. 当月加工換算量700−40+50=710個。当月加工費710×60=42,600円。
  2. 当月材料単価38,400÷640=60円。期末原価100×60+50×60=9,000円。
  3. 総原価8,000+3,200+38,400+42,600=92,200円。完成原価83,200円。

当月加工費42,600円、期末9,000円、完成83,200円。

完成振替に期末仕掛品を混ぜない

同規格の製品1種類を一つの工程で製造し、単純総合原価計算の(修正)先入先出法を用いる。材料は始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。期首仕掛品はすべて先に完成し、期末仕掛品は当月投入分のみからなる。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他工程との振替・税金・端数処理はなく、材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首100個(加工60%)、投入400個、完成400個、期末100個(加工40%)。材料費は期首6,000円・当月24,000円、加工費は期首5,400円・当月30,400円。費用は仕掛品へ集計済みで、完成品は未販売。完成振替を示す。

解き方と答え
  1. 当月材料単価60円、当月加工単価30,400÷(400−60+40)=80円。
  2. 期末原価100×60+40×80=9,200円。完成原価65,800−9,200=56,600円。
  3. 借方 製品56,600/貸方 仕掛品56,600。仕掛品9,200円は残す。

借方 製品56,600円/貸方 仕掛品56,600円。

間違えやすいところ

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採点と記録にはJavaScriptを使います。配点はこの教材独自のものです。