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単純総合原価計算 — 平均法で完成品と仕掛品を分けるの講義・例題

単純総合原価計算 — 平均法で完成品と仕掛品を分けるをオリジナル解説・例題・演習で学ぶ。日商簿記2級・工業簿記、2026年度範囲。

日商簿記2級・工業簿記 / 2026年度範囲(2027年3月31日まで) / オリジナル教材

講義一覧

同種製品の期間原価を、完成・未完成に分ける

総合原価計算は、同種製品を継続して製造するときなどに、一定期間の製造原価を集計し、完成品と期末仕掛品に配分する方法です。本章は同種・同規格の製品1種類を一つの工程で作る単純総合原価計算に限定します。会社名や業種だけから方法を断定せず、問題で示した生産条件を使います。

第07章は個別の指図書別に原価を追いました。本章では各注文の原価を区別することではなく、同種製品全体の数量と原価を対応させます。未完成品にもすでに投入した資源があるため、完成品だけへ全額を押しつけないことが出発点です。

現物数量の流れを先に照合する

仕損・減損・数量増加や他の出入りがない本章では「期首仕掛品数量+当月投入数量=当月完成数量+期末仕掛品数量」です。この式の数量は、進捗度を掛ける前の現物個数です。加工50%の仕掛品200個も、現物は200個あります。

数量表と原価表の期間・工程・単位が一致しているか確認します。期首100個と当月投入900個が完成800個・期末200個になったなら、合計は両側1,000個です。完成品と期末仕掛品にはすでに期首分が含まれるので、分配側へ期首100個を再加算しません。

材料の投入時点と加工の進み方を分ける

本章では材料を工程の始点で全量投入します。そのため、期末仕掛品にも材料は100%投入済みです。一方、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する条件です。材料の投入時点と加工進捗度は別の情報であり、加工40%を材料にも機械的に掛けません。

本章の材料費は始点投入の直接材料費、加工費はそれ以外の製造原価(直接労務費・配賦製造間接費等)をまとめた金額です。両者に重複なく分類済みの数値を使います。加工費に含まれた製造間接費をもう一度足したり、指示のない販売費を混ぜたりしません。

完成品換算量は、現物とは違う配分基準

完成品換算量は、未完成品に投入した材料や加工を、完成品何個分に相当するかで表したものです。期末200個・加工40%なら、加工の換算量は80個相当です。材料を始点投入する条件なら、同じ期末仕掛品の材料換算量は200個相当です。

材料と加工はそれぞれ別の換算量で配分します。完成品はどちらも100%なので、平均法の分母は「完成数量+期末換算量」です。材料換算量と加工換算量を合算して現物個数としたり、完成数量だけで割ったりしません。

平均法は期首原価と当月費用をまとめて平均する

平均法では材料費・加工費ごとに期首仕掛品原価と当月製造費用を足し、その合算額を対応する完成品換算量で割ります。期首・当月の二つの単価を単純に足して2で割る方法ではありません。原価額と対応数量を合わせて平均する点が大切です。

期首原価が金額で与えられている本章の平均法では、完成数量に含まれる期首仕掛品を区別して、その加工済み換算量を分母から差し引くことはしません。期首の進捗度が書かれていても、当月作業分だけを切り出す別の方法へ混ぜないでください。期首数量は現物照合に、期首原価は費目別原価合算に必要です。

材料・加工の単価を出して二つの行き先へ配分する

材料単価=(期首材料費+当月材料費)÷(完成数量+期末数量)。加工単価=(期首加工費+当月加工費)÷(完成数量+期末数量×期末加工進捗度)。これは材料始点投入・加工比例発生・仕損等なし、という本章の条件での式です。条件を変えた問題へ無条件に転用しません。

完成品総合原価は完成数量×材料単価+完成数量×加工単価。期末仕掛品原価は期末数量×材料単価+期末加工換算量×加工単価です。完成品1個当たり原価は、完成品総合原価÷完成数量で求め、同じ条件なら材料単価+加工単価とも一致します。本章では完成数量と配分の分母が正で、端数処理なしで求まる数値を用います。

数量と原価を別々に照合する

原価の照合は「期首仕掛品原価+当月製造費用=完成品総合原価+期末仕掛品原価」です。材料と加工ごとに一致することも確認します。合計原価が一致していても、完成・未完成への割り振りや材料・加工の分母が誤っていることはあるため、照合だけで解法が正しいと決めつけません。

期末仕掛品が0個なら、期末配分額も0です。ただし完成品がある本章では、換算量の合計まで0になるわけではありません。原価差額や期末残高が0の解答欄には0を明示し、未回答の空欄と区別します。

完成振替は、平均法で配分した完成原価だけ

各費用がすでに仕掛品へ集計済みなら、完成した分を借方「製品」・貸方「仕掛品」で振り替えます。期末仕掛品原価は仕掛品に残します。材料費・加工費の発生を再び記帳したり、配分対象の総額を全て製品へ移したりしません。

完成しても未販売なら、その原価は製品に残ります。完成原価の算定・振替と、販売に伴う売上原価振替は別の段階です。本章の仕訳問題は完成振替だけを求め、売上高・税金や未指示の販売記録は追加しません。

資料の訂正や不足欄も、同じ関係式で確認する

期末の加工進捗度が訂正され、原価総額と現物数量が変わらない場合、期末加工換算量だけでなく平均加工単価も計算し直します。旧単価を固定したまま期末数量に新しい進捗度を掛けると、総原価との対応が崩れます。

平均単価と換算量から原価総額を逆算するときは、単価×換算量で得られるのが期首と当月を合わせた額だと確認します。当月費用を求めるならそこから期首原価を引きます。これは平均法の同じ関係を逆向きに使う計算であり、足りない資料を推測することではありません。

本章の平均法と、まだ扱っていない論点

本章は単純総合原価計算の平均法に限定します。材料は始点投入、加工費は明示した進捗度に比例し、数量・原価に仕損・減損・副産物・連産品・他工程からの振替はありません。等級別・組別・工程別・標準原価計算の問題を解いたことにはなりません。

公式2級範囲には別途(修正)先入先出法や正常仕損・減損の度外視法等もありますが、本章には未実装です。1級側の純粋先入先出法や非度外視法等との区分も混同しません。四つの範囲行との対応はこの限定した教材内容を示すもので、第十一全体や日商簿記2級全範囲の完成、公式採点との同等性、合格保証を意味しません。

例題

現物500個を材料・加工の換算量へ分ける

同種製品1種類を一つの工程で製造する単純総合原価計算。平均法を用いる。材料は工程の始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他の振替・税金・端数処理はない。材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首仕掛品0個、当月投入500個、完成400個、期末仕掛品100個(加工30%)。数量と換算量だけを求める。

解き方と答え
  1. 現物は0+500=完成400+期末100で一致する。
  2. 材料換算量は完成400+期末100×100%=500個。
  3. 加工換算量は完成400+期末100×30%=430個。現物500個を430個へ書き換えるのではない。

材料換算量500個、加工換算量430個。

期首原価なしで材料・加工を配分する

同種製品1種類を一つの工程で製造する単純総合原価計算。平均法を用いる。材料は工程の始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他の振替・税金・端数処理はない。材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首仕掛品0個・0円、当月投入1,000個、完成800個、期末仕掛品200個(加工50%)。当月材料費50,000円、当月加工費72,000円。

解き方と答え
  1. 材料換算量1,000、加工換算量800+200×50%=900。単価は材料50,000÷1,000=50円、加工72,000÷900=80円。
  2. 完成品原価800×(50+80)=104,000円。期末材料200×50=10,000円、期末加工100×80=8,000円。
  3. 期末原価18,000円。104,000+18,000=総原価122,000円。

完成品104,000円、期末仕掛品18,000円。

期首原価を含める本来の平均法

同種製品1種類を一つの工程で製造する単純総合原価計算。平均法を用いる。材料は工程の始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他の振替・税金・端数処理はない。材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首仕掛品100個(加工40%)、当月投入900個、完成850個、期末仕掛品150個(加工60%)。材料費は期首6,000円・当月54,000円、加工費は期首4,000円・当月80,600円。

解き方と答え
  1. 材料は60,000÷(850+150)=60円。加工は84,600÷(850+150×60%)=90円。期首加工済み40個相当は分母から引かない。
  2. 完成品850×(60+90)=127,500円。期末材料150×60=9,000円、期末加工90×90=8,100円。
  3. 完成127,500+期末17,100=総原価144,600円。

完成品127,500円、期末仕掛品17,100円。

期首と当月の単価の単純平均を避ける

同種製品1種類を一つの工程で製造する単純総合原価計算。平均法を用いる。材料は工程の始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他の振替・税金・端数処理はない。材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首仕掛品200個、当月投入600個、完成650個、期末仕掛品150個(加工40%)。材料費は期首10,000円・当月54,000円で、材料費だけを平均法で配分する。加工費の金額は求めない。

解き方と答え
  1. 材料費総額10,000+54,000=64,000円、材料換算量650+150=800個。平均単価80円。
  2. 期首材料単価50円と当月材料単価90円の単純平均70円ではない。それぞれ数量200個と600個に対応している。
  3. 完成材料650×80=52,000円、期末材料150×80=12,000円。合計64,000円。

平均材料単価80円、完成材料52,000円、期末材料12,000円。

平均単価から当月加工費を戻す

同種製品1種類を一つの工程で製造する単純総合原価計算。平均法を用いる。材料は工程の始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他の振替・税金・端数処理はない。材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首仕掛品200個(加工30%)、当月投入800個、完成700個、期末仕掛品300個(加工40%)。材料費は期首8,000円・当月32,000円。期首加工費9,000円、平均加工単価75円。当月加工費が不明なので逆算し、完成・期末原価も求める。

解き方と答え
  1. 加工換算量700+300×40%=820個。総加工費820×75=61,500円。期首9,000円を引き、当月加工費52,500円。
  2. 材料単価40,000÷1,000=40円。完成品700×(40+75)=80,500円。
  3. 期末原価300×40+120×75=21,000円。80,500+21,000=材料40,000+加工61,500。

当月加工費52,500円、完成品80,500円、期末仕掛品21,000円。

算定した完成原価だけを振り替える

同種製品1種類を一つの工程で製造する単純総合原価計算。平均法を用いる。材料は工程の始点で全量投入し、加工費は示した加工進捗度に比例して発生する。数量単位は個。仕損・減損・数量増加・他の振替・税金・端数処理はない。材料費と加工費は重複なく分類済みで、他の製造費用はない。期首仕掛品0個・0円、当月投入900個、完成750個、期末仕掛品150個(加工40%)。材料費45,000円、加工費72,900円は仕掛品に集計済み。完成品は未販売。完成振替を示す。

解き方と答え
  1. 材料単価45,000÷900=50円、加工単価72,900÷(750+150×40%)=90円。
  2. 完成原価750×(50+90)=105,000円。期末原価150×50+60×90=12,900円。
  3. 借方 製品105,000 / 貸方 仕掛品105,000。仕掛品には12,900円を残し、売上原価はまだ計上しない。

完成振替は製品105,000円 / 仕掛品105,000円。

間違えやすいところ

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採点と記録にはJavaScriptを使います。配点はこの教材独自のものです。