88鍵と一人の声が、華麗な賭けの映画をほどく。
レグ・ウィルソンの「Theme from the Thomas Crown Affair」。映画『華麗なる賭け』の主題を、ピアノとコリーナ・マネットの言葉のない声へ移した1969年の録音だ。
- 発売年
- 1969年
- 国・活動圏
- アメリカ
- 参照盤の発売国
- アメリカ
- ジャンルの手がかり
- Piano / Wordless Vocal / 映画音楽
- 参照したレコード
- 88 Keys and a Girl(United Artists, UAS 6692)
- 制作・録音年
- 未確認
1968年という非公式情報もあるが、確認できた米国盤目録・同時代新譜評は1969年。
Girlという題名の中にも名前がある
アルバム『88 Keys and a Girl』を評したCash Boxの1969年3月22日号は、88鍵を操るウィルソンと、言葉を使わず歌うCorinna Manettoを紹介する。彼は当時ニューヨークのJilly’sで弾くピアニストだったという。アルバムの看板は鍵盤と女性という抽象的な組み合わせだが、名前を知ると二人が音を手渡す具体的な関係へ変わる。本曲はその一枚の冒頭に置かれた。 [1] [2]
映画主題と自作曲を同じ部屋へ
ミシェル・ルグラン作の主題に続くのは、ウィルソン自身の「888」や「Sylvia’s Theme」。一方で「Sunny」や「Knowing When to Leave」も入る。制作を担ったのはLeRoy Holmes。既成の有名曲だけで埋めず、クラブ・ピアニスト自身の作品も混ぜたことで、単なる映画主題集とは違う人格が生まれている。同年には主題を「The Windmills of Your Mind」の名で切り出したシングルも発売された。 [1] [2] [3]
言葉のない声は、どこへ入る?
元の歌詞を覚えていても、ここでは意味を一度離れてみたい。ピアノが主題を示すとき、声は同じ輪郭をなぞるのか、背景へ回るのか。高い音が伸びている間に鍵盤がどう空間を変えるか。その役割交換を追うと、歌手を単なる飾りにしない編曲の工夫が見える。MIXのイントロとして短く現れても、アルバム全体へ戻ればクラブの会話の気配まで想像できる。映画の主人公の華やかさを借り、二人の小さな音楽の部屋へ迎える演奏である。 [1] [2]
聴き方の提案は、この曲を楽しむための鑑賞ガイドです。
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出典と資料メモ
年は確認できた最も早い発売年を採用。活動国と盤の発売国、再発年は分けて記録しています。
- Cash Box 1969年3月22日号 ↗
同時代新譜評、Corinna Manettoの声、Jilly’sのピアニストと自作曲。
- HHV:米国オリジナルLP ↗
1969年UAS6692、全曲、LeRoy Holmes制作。
- 45cat:UA50542 ↗
1969年6月、Windmills of Your Mind/Sunny、LeGrand/Bergman、Holmes制作。
資料確認日 2026-10-26 · 解説は確認資料の範囲で更新します。