DESIGN LINEAGEデザイン表現史RESEARCH EDITION
PRIMARY SOURCES / WORKS

本文公開・自作解説図1点 / 実作品画像は未掲載 · 2026-10-30

グラフィックデザインの様式・方法

スイス・スタイル/国際タイポグラフィ様式

Swiss / International Typographic Style

年代
主な展開 1950–1970頃(教育・作品の前史と継続は別)
地域
スイスを中心に国際的展開

どの文字から、目に入る?

ポスターには、伝えたいことがいくつもあります。

文字を大きくしたり、太くしたりすると、目に入る順番が変わります。

写真や文字をどこに置くか、どれくらい空きを残すかも大切です。

スイス・スタイルでは、こうした工夫で、伝えたいことを読み取りやすくしました。

ORIGINAL EXPLAINER · 自作解説図

スイス・スタイル:整列と余白

同じ見出し、案内文、青い長方形の二案。Aは分散した配置、Bは左端の整列と文字サイズの階層で読み順を整理。赤線は比較用の補助線。

実在する代表作の画像ではありません。見るポイントを学ぶために、このサイトが作った例です。

同じ見出し、案内文、青い長方形の二案。Aは分散した配置、Bは左端の整列と文字サイズの階層で読み順を整理。赤線は比較用の補助線。

解説図|このサイトが作成した比較例。同じ見出し、案内文、青い長方形の二案。Aは分散した配置、Bは左端の整列と文字サイズの階層で読み順を整理。赤線は比較用の補助線。 実在する歴史的代表作の画像・復元ではなく、特定作家の模倣でもありません。様式全体の定義や優劣を示す図ではありません。

考え方を確かめる美術館の資料 ↗ · 参照先がこの図を制作・監修したわけではありません。

解説図を大きく開く ↗

作品から、もっと知る。

作品の知名度や画像の入手しやすさだけで選びません。紹介したい作品と、調べて分かったことをまとめました。画像を載せられるかどうかは、別に確かめています。画像の利用許諾を確認できていないものは掲載していません。

01

作品の内容を説明する見出し

白い円と文字を使った音楽ポスター

原題:Beethoven

白い円と、公演を知らせる文字。

音楽の公演を知らせるポスターです。

美術館の説明では、黒い地に白い円が重なり、中心に公演の情報があります。

円の間隔と文字の場所を、一緒に考える例です。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:個別記録はUsage conditions apply。作品の商用掲載許諾は未取得。 / 複製:複製画像の商用掲載条件は未確認。画像は未取得・未採用。
商用利用:許諾未取得・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明

音楽ポスター

館の解説によると、黒い地に、中心が同じ白い円が重なっています。中心に近づくにつれて変わる円の間隔と、中心部分の公演情報が結びついています。図形のリズムと情報の置き方を見る代表例です。ここでの説明は館の文章に基づき、画像を実際に確認した結果ではありません。

対象はCooper Hewitt 2019-22-6です。1955年の紙に刷られたリトグラフで、127.6 × 91 cm、Merrill C. Bermanから寄贈されました。2019-22-6は所蔵番号で、制作年ではありません。Museum für Gestaltungの2019年の再版は、Uldryが印刷したシルクスクリーンです。その寸法、技法、印刷所を、この1955年の作品に当てはめません。作曲家ベートーヴェン(Beethoven)が亡くなった年は、ポスター画像の利用許可とは関係ありません。

02

作品の内容を説明する見出し

ダンサーの写真を使ったポスター

原題:Giselle, Basler Freilichtspiele

ダンサーの写真と、文字を並べる。

ダンサーの写真を使ったポスターです。

写真と文字を、どう組み合わせるかが見どころです。

きちんと同じ間隔にそろえるだけではない、見せ方を考えられます。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:未確認 / 複製:ポスター画像・原写真の個別商用許諾は未確認。展示風景写真のクレジットを転用しない。
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明

舞踊ポスター

Poster Houseは、文字とダンサーの写真の関係を説明しています。グリッド(位置をそろえるための補助線)を厳しく守ることだけが、スイス・スタイルではないとわかる例です。

対象はMoMA 380.1963です。フォトリトグラフで、大きさは127.6 × 90.1 cmです。印刷所はWassermann A.G., Baselです。印刷所をダンサーの写真を撮った人とは扱いません。撮影者はまだ確認できていません。Mali Olatunjiが撮った1981年の展示会場の写真も、ポスターに使った元の写真とは別の権利があります。実画像の取得や、細部を実際に見る作業はまだ終わっていません。

03

作品の内容を説明する見出し

文字の重なりで動きを見せるポスター

原題:Der Film

写真がなくても、文字で動きを見せる。

文字を重ねて画面をつくったポスターです。

美術館は、その重なりから生まれる動きを説明しています。

ダンサーの写真を使うポスターと、比べるための作品です。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:未確認 / 複製:個別所蔵ページは複製画像のライセンス窓口を案内。未許諾。
商用利用:許諾未取得・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明

展覧会ポスター

MoMAは、文字を重ねることで生まれる動きを説明しています。写真を使わず、文字だけで画面をつくる方法を、《Giselle》と比べられます。

対象はMoMA 57.1960です。オフセット・リトグラフで、Kunstgewerbe Museum Zürichから寄贈されました。現在の個別記録は90.1 × 127.6 cmですが、古い目録では順序が逆です。そのため、ここでは縦横の向きを断定しません。2019年に公式販売された再版は、Uldryのシルクスクリーンです。その技法、年、印刷者を、もとの所蔵作品に当てはめません。

04

作品の内容を説明する見出し

デザインを伝える雑誌の創刊号の表紙

原題:Neue Grafik 1(創刊号の表紙)

雑誌の表紙で、考えを伝える。

デザインを伝える雑誌の、最初の号の表紙です。

文字をそろえて並べることが、何を読みやすくするかを考えます。

表紙の短い文字と、中の長い文章では、読み方も違います。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:作品の商用掲載許諾は未確認 / 複製:展覧会資料©2014 ZHdK。写真の一般クレジットはUmberto Romito、個別表紙図版の権利は要確認。
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明

雑誌表紙・活版印刷

ポスターだけでなく、雑誌でもデザインの考えが共有されていたことを示します。整然と文字を組むと、何が伝わりやすくなるのでしょう。表紙と本文を分けて考える代表候補です。

ZHdKの展覧会資料では、表紙は28 × 24.8 cmで、活版印刷(かっぱんいんさつ。文字などの凸面にインクをつけて刷る方法)とされています。共同編集者4人が、そのまま表紙の共同デザイナーだったとは扱いません。資料は、同誌の長い文章の組み方に対するWeingartの批判も紹介しています。規則正しく並べれば必ず読みやすい、とはいえません。表紙画像はまだ取得・実見していません。

もう少し知る:時代や、つくり方の話

どんな時代に、何をつくった?

何から読めばよいか、すぐにわかる。そのために文字、写真、余白、グリッド(位置をそろえるための見えない補助線)を組み合わせる考え方です。特定の書体だけで決まるものではありません。配置の決まりと、どの情報を先に伝えるかに注目します。

チューリヒとバーゼルでは、教え方やつくり方に違いがあります。ポスター専門美術館のPoster Houseは、ホフマン(Hofmann)のグリッドを、機械的に守る固定ルールではなく、柔軟に画面を組み立てる方法として説明しています。一つの書体を使うことや、すべてを同じ間隔できれいに並べることだけでは、この考え方を説明できません。

以下は観察のための問いです。すべての作品に共通する固定ルールや、未取得画像の実見結果ではありません。

COLOR

色と、使った材料

使う色を絞り、色や明るさの差を大きくした例に注目します。白黒だけに限られるわけではありません。

TYPE

文字をどう見せる?

サンセリフ(文字の端に小さな飾りがない書体)や、左端をそろえる配置を見ます。文字の大きさや太さを変えると、読む順番や情報の重要さをどう伝えられるでしょう。

FORM

どんな形で、どうつくる?

円や四角などの図形と、写真のはっきりした組み合わせを見ます。飾りが少ないという理由だけで判断することはできません。

COMPOSITION

どこに、どう置く?

きれいにそろえることだけが手がかりではありません。ホフマンの《Giselle》のように、写真と文字の関係を優先する例もあります。ミューラー=ブロックマン(Müller-Brockmann)の《Der Film》では、文字の重なりにも注目して比べます。

COMPARE

似ているところ、違うところ。

ニュー・タイポグラフィ(New Typography)とはつながりがありますが、同じ名前でまとめることはできません。今のウェブサイトに見られる、要素を少なくしたデザインとも、生まれた背景は違います。

項目を横に並べる ↗

READ TODAY

現代の作品と比べる(直接の影響は別に確認)

本や雑誌の編集、案内表示、画面を操作する仕組みを考えるときに、基本となる手がかりです。何を先に見せ、何を次に読んでもらうかを考えられます。ただし、グリッドを使っているだけで、直接この考え方を受け継いだとは判断できません。

このページを書くときに使った資料です。作品の説明、画像を入手できたかどうか、画像を使う条件は、それぞれ別に確かめています。検索結果で読んだ情報と、元のページを開いて確かめた情報も、調査の記録で分けています。

  1. 白い円を使った音楽のポスターの記録(1955年) — Cooper Hewitt, Smithsonian Design Museum / Smithsonian Collections Search
  2. ダンサーの写真を使ったポスターの記録 — MoMA
  3. 文字を重ねたポスター《Der Film》の記録 — MoMA
  4. ポスターを2019年に刷り直した版について — Museum für Gestaltung Zürich
  5. ポスターではなく、1981年の展示会場を撮った写真 — MoMA
  6. スイスの二つの都市の違いと、柔軟な配置の工夫 — Poster House
  7. 雑誌の創刊号の表紙と、本文の文字の組み方について — ZHdK / Museum für Gestaltung Zürich

この項目の収録実画像:0点(図鑑全体:28点)。参照・関連実作品はこの項目0点(図鑑全体2点)。代表作品画像セットの数には含めません。