DESIGN LINEAGEデザイン表現史RESEARCH EDITION
PRIMARY SOURCES / WORKS

作品・制作の例4件を紹介しています。実作品画像1点、参照・関連画像0点。画像の収集は継続中です。

写真表現をめぐる運動

新興写真(しんこうしゃしん)

新興写真

時期
1920年代末–1930年代を中心に
地域
日本/欧米の写真との交流

撮る場所を変えると、世界が違って見える。

いつも見る町も、真上から撮ったり、近づいて一部を切り取ったりすると、違って見えます。新興写真は、カメラならではの見方を探した写真の動きです。絵画に似せるだけではない表現を、写真家たちが試しました。

実作品を見る

白黒写真。右手前に笑う人物の顔、左奥に二本の脚が見え、明暗と複数の像が重なっている。

・・・・

中山岩太(なかやま・いわた) / 1932年

顔だけでは終わらない写真。

右の顔から左へ目を移すと、脚の断片が見えます。人物を整った一つの姿として見せないところが、見る人を立ち止まらせます。

中山岩太《・・・・》1932年。機械的スキャン:HinokisOfRoma / Wikimedia Commons、Public domain(PD-Japan-oldphoto、PD-scan)。

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画像の記録と、利用条件

Public domain / PD-Japan-oldphoto + PD-scan

Commons個別ページでPD-Japan-oldphoto表示。1932年11月『光画』初出の写真で、日本旧写真保護期間が1970年までに満了し、米国URAA復活対象外とする根拠を記載。

1998年刊『日本の写真家7 中山岩太』からの機械的なスキャン。Commons個別ページはPD-scanと表示しています。書籍全体の自由利用を意味しません。

原画像を切り取らずに掲載しています。

すべての法域に対する権利保証ではありません。米国での同時公表等の例外に注意。

画像の利用条件 ↗

全体を残した縮小とWebP変換。色や構図は変更していません。

作品・制作の例を見比べる。

01

細川ちか子氏

写真

人物の切り取り方を通じて、絵画のような写真から、カメラ固有の表現へ向かう変化を考えられます。

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作品名(出典表記):細川ちか子氏

野島康三(のじま・やすぞう) / 1932年 / 写真

同名の所蔵個体があるため、掲載時には作品番号・プリントを一つに固定する必要があります。

02

『カメラ・眼×鉄・構成』

写真集

鉄や機械的な建造物を撮った写真集です。構造の見せ方と、本の中で写真を並べる工夫を一緒に考えられます。

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作品名(出典表記):『カメラ・眼×鉄・構成』

堀野正雄(ほりの・まさお) / 1932年刊 / 写真集

この作品一つで、すべての活動を代表するわけではありません。

03

大東京の性格

グラフ・モンタージュ

『中央公論』のために写真を組み合わせ、東京の性格を表そうとした仕事です。複数の写真と批評が協力する点が重要です。

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作品名(出典表記):大東京の性格

堀野正雄(写真)・板垣鷹穂(いたがき・たかほ)(共同制作) / 1931年10月号掲載 / グラフ・モンタージュ

この作品一つで、すべての活動を代表するわけではありません。

04

・・・・

写真

笑う人物と、左に見える脚の断片が一つの画面に重なります。顔だけを見るときと、周囲まで見るときで印象が変わる写真です。

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作品名(出典表記):・・・・

中山岩太(なかやま・いわた) / 1932年 / 写真

1932年11月『光画』掲載作。後年の書籍に載った画像の機械的スキャンを使用し、現存プリントの所有権とは区別します。

もう少し知る:背景と、つながり

どんな背景で生まれた?

1930年には木村専一(きむら・せんいち)を中心に新興写真研究会ができ、堀野正雄や渡辺義雄(わたなべ・よしお)らが参加しました。

1932–33年の雑誌『光画』も、新しい写真を発表する場になりました。

これは一つの団体だけを指す言葉ではなく、各地の写真家や雑誌がつくった大きな流れです。

作品をよく見るための手がかり

色

白黒写真では、黒から白までの違いと、光がつくる輪郭に注目します。白黒であるだけでは、新興写真とは判断できません。

文字

雑誌や写真集では、写真と見出しの組み合わせも大切です。写真一枚と、編集されたページは分けて見ます。

形・素材

《細川ちか子氏》のような人物写真では、どこまでを画面に入れ、何を外したかに注目します。切り取り方を変えると、印象も変わります。

どこに、どう置く?

「大東京の性格」は、複数の写真を組み合わせるグラフ・モンタージュです。一枚だけでは伝わらない町の姿を、並べ方でどう見せるかを考えます。

ほかの表現との、つながり

絵のような質感を求めた芸術写真との違いを見るときも、写真家を一生同じ作風に固定しません。野島康三のように、つくり方が変化した人もいます。

いま、考えてみること

スマートフォンの写真でも、立つ場所や切り取り方が変わると印象が変わります。何を見せたいかを決めて撮り、同じ場所の写真を比べてみましょう。

調べた資料

  1. 東京都写真美術館 ↗
  2. 京都国立近代美術館 ↗
  3. 日本カメラ博物館(JCII/ジェイ・シー・アイ・アイ) ↗
  4. 東京都写真美術館紀要 ↗
  5. ウィキメディア・コモンズ ↗

選んだ作品と資料から入るための紹介です。全作家・全時期を網羅するものではありません。

作品・制作の例4件を紹介しています。実作品画像1点、参照・関連画像0点。画像の収集は継続中です。