DESIGN LINEAGEデザイン表現史RESEARCH EDITION
PRIMARY SOURCES / WORKS

本文試作・代表作の個別監査中 / 画像未収録 · 2026-10-30

歴史的な運動・工芸を評価し伝える思想

民藝(みんげい)運動

民藝運動

年代
1925年に命名/1920年代以降
地域
日本を拠点に、英国・朝鮮半島などの工芸とも関わる

毎日使う器にも、見つけたい美しさがある。

ごはんを食べる茶わんや、暮らしに使う布。

ふだん見過ごしている物にも、美しさがあるのではないでしょうか。

民藝(みんげい)運動は、こうした身近な品に目を向け、集めたり使ったりして、そのよさを伝えた活動です。

昔の職人がつくった物と、活動に加わった作家が新しくつくった物の両方を見ていきます。

作品から、もっと知る。

作品の知名度や画像の入手しやすさだけで選びません。紹介したい作品と、調べて分かったことをまとめました。画像を載せられるかどうかは、別に確かめています。画像の利用許諾を確認できていないものは掲載していません。

運動の中で高く評価された昔の作品と、参加した作家の新作、考えを広める本などを、4つの役割から選びました。木工や、染め・織りの産地などは、まだ収録していません。朝鮮半島、沖縄、アイヌなどの工芸には、それぞれの地域でつくってきた歴史があります。収集されたというだけで、運動に参加した証拠や、日本で生まれた証拠にはしません。

01

スリップウェア鷄文鉢

器の上を、土の線が走る。

器の表面に、どろどろにした土で線をかいています。

18世紀につくられた品で、民藝運動が始まるよりも前のものです。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:個別原作品の商用利用条件未確認 / 複製:写真・複製の許諾未取得
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:保留
作品の記録と、詳しい説明

陶器・運動が再評価した旧作

化粧土(けしょうど、器の表面を飾る泥状の土)の線と、器の形の関係を見ます。民藝運動が生まれる前の工芸品です。18世紀の制作と、後に柳が評価したことを分けます。

寸法は9.2×34.2cmです。直径34.2cmは、別の展覧会の記録で確認しています。窯と作者はわかっていません。柳や濱田が作った作品ではありません。

02

地掛鉄絵黍文茶碗

毎日使う茶わんに、植物の模様。

穀物のキビを模様にした茶わんです。

どんな土や、表面をおおう材料を使ったかも、見た目につながっています。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:個別原作品の商用利用条件未確認 / 複製:写真・複製の許諾未取得
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:保留
作品の記録と、詳しい説明

陶器・運動に参加した作家の新作

日用品の器の形や、黍(きび)の模様に注目します。土や釉薬(ゆうやく、焼くと表面を覆ううわぐすり)への関心を、作者のわかる作品で考えます。

寸法は10.5×12.0cmです。所蔵ページには、それぞれが高さや幅のどれかは記されていません。作者名のある新しい作品で、無名の職人による古い作品とは区別します。

03

伊曽保物語屏風

お話を、部屋に立てる道具へ。

部屋に立てて使う屏風に、絹の布を使いました。

型紙を使って模様を染めています。

民藝で見つめた品は、器だけではありません。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:個別原作品の商用利用条件未確認 / 複製:写真・複製の許諾未取得
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:保留
作品の記録と、詳しい説明

染織・屏風

紬(つむぎ、絹織物)への型染(かたぞめ、型紙を使って染める方法)と、折って使う暮らしの道具を比べる候補です。器だけでは伝わらない民藝の広がりを示します。

4曲1隻、つまり四つの面からなる屏風(びょうぶ)一基です。館の紹介画像は一部分なので、全体の配置を実際に確認したとはしません。寸法と収蔵番号は未確認です。

04

雑誌『工藝』第1号・石皿特集

暮らしの品を伝える本にも、工夫を。

品物を紹介するだけでなく、本そのもののつくり方も大切にしました。

最初の12号は、型紙を使って染めた表紙です。

作品の所蔵元・解説ページで見る ↗
原作品:個別原作品の商用利用条件未確認 / 複製:写真・複製の許諾未取得
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:保留
作品の記録と、詳しい説明

出版・装幀

工芸を紹介する内容と、雑誌そのものを工芸品として作る装幀(そうてい、本の外側の設計)を一緒に見ます。最初の12号の型染表紙は、一点だけを作るのではなく、くり返し作る仕事でもありました。

対象は創刊号です。1年分を包む帙(ちつ、書物を保護する入れ物)や、その後の号とは区別します。全120号を芹沢が装幀したとは考えません。

もう少し知る:時代や、つくり方の話

どんな時代に、何をつくった?

毎日使う器や布にも、じっくり見る価値がある。民藝(みんげい)運動は、身近な品を、暮らしの美を考える中心に置こうとしました。品物を集め、使い、作るだけでなく、展示や出版を通して工芸の価値を伝えました。

1925年、柳宗悦(やなぎむねよし)・濱田庄司(はまだしょうじ)・河井寬次郎(かわいかんじろう)らが「民藝」と名付けました。1926年には、富本憲吉(とみもとけんきち)を加えた四人の名で、美術館を設立する目的を記した文書が発表されます。1936年に日本民藝館が開館しました。運動が始まる前に、名前の伝わらない職人が作った品もあります。それらと、運動に参加した作家の新作では、年代も作り手の立場も違います。

以下は観察のための問いです。すべての作品に共通する固定ルールや、未取得画像の実見結果ではありません。

COLOR

色と、使った材料

素朴な茶色だけが民藝の色ではありません。濱田の釉薬(ゆうやく:焼き物の表面を覆うガラス質の層を作る材料)、芹沢の型染(かたぞめ:型紙などを使って布に模様を染める方法)を見ます。英国のスリップウェアでは、模様などに使う液状の粘土「化粧土(けしょうど)」にも注目しましょう。色と材料、作り方を結び付けて読みます。

TYPE

文字をどう見せる?

雑誌『工藝(こうげい)』では、文章だけでなく、表紙の材料や本の仕立ても観察します。すべての号が同じ作家や技法によるものとは限りません。

FORM

どんな形で、どうつくる?

茶碗、屏風(びょうぶ)、本では、使い道と形の関係が違います。作った職人の名前が伝わらない古い品と、濱田や芹沢のように作者名が分かる作品を分けて考えます。

COMPOSITION

どこに、どう置く?

器の曲面に描かれた模様、屏風の折れ方、繰り返し作られる表紙に、それぞれ注目します。「自然に見える」という見方には、柳らによる評価も含まれます。作者が何を意図したかは、画像だけでは断定できません。

COMPARE

似ているところ、違うところ。

アーツ・アンド・クラフツ(Arts & Crafts)とは、工芸や暮らしへの関心を比べられますが、同じ運動ではありません。琳派(りんぱ)やアール・ヌーヴォー(Art Nouveau)などとの違いも、見た目だけで決めないようにします。何を集め、どう評価し、作り、広めたのかまで調べましょう。

項目を横に並べる ↗

READ TODAY

暮らしとの関係を、現在も問い直す

日本民藝館の新作工芸展や、所蔵品を改めて調べる活動には、工芸を日常へつなぐ取り組みが続いていることが表れています。現代の器や雑貨も、素朴な見た目だけで民藝とは呼べません。誰がどう作り、使い、評価したのかを確かめる視点が役立ちます。

このページを書くときに使った資料です。作品の説明、画像を入手できたかどうか、画像を使う条件は、それぞれ別に確かめています。検索結果で読んだ情報と、元のページを開いて確かめた情報も、調査の記録で分けています。

  1. 民藝という名前の誕生と、美術館の開館について — 日本民藝館
  2. 集められた古い工芸品と、作家の新しい作品について — 日本民藝館
  3. 濱田庄司の活動と、焼き物の材料や模様について — 日本民藝館
  4. 黍の模様を描いた1955年の茶碗の記録 — 日本民藝館
  5. 民藝の作家による器・屏風・本の作品紹介 — 日本民藝館
  6. 物語を型染で表した1932年の屏風について — 日本民藝館
  7. 鳥の模様を描いた18世紀の鉢について — 日本民藝館
  8. 英国の焼き物を民藝の人々がどう受け止めたか — 日本民藝館
  9. 鳥の模様の鉢の年代と寸法についての別の記録 — 日本民藝館
  10. 雑誌『工藝』の創刊号について — 日本民藝館
  11. 雑誌の表紙を型染で繰り返しつくる仕事について — 日本民藝館
  12. 柳宗悦の活動と、出版・収集の背景について — 日本民藝館
  13. 2024年の新しい工芸品を集めた展示について — 日本民藝館

この項目の収録実画像:0点(図鑑全体:28点)。参照・関連実作品はこの項目0点(図鑑全体2点)。代表作品画像セットの数には含めません。