本文試作・代表作の個別監査中 / 画像未収録 · 2026-10-31
建築・都市をめぐる運動と提案
メタボリズム
メタボリズム
- 年代
- 1960年の宣言/主に1960–70年代の展開
- 地域
- 日本を拠点とし、国際的な都市・建築の議論へ
建物の一部を、取り替えられたら?
建物をつくったあとで、部屋をつなぎ足せたらどうでしょう。
メタボリズムは、建物や町を、あとからつなぎ足したり、取り替えたりできる仕組みとして考えた活動です。
日本で1960年に発表した提案が、大切な出発点になりました。
ただし、取り替えられるように考えたことと、実際に取り替えたことは別です。
- 計画の図を見るなら、どの部分を残し、どの部分を取り替える考えでしょう。
- その計画のうち、実際に建ったのはどこまででしょう。
02 — REPRESENTATIVE WORKS この動きを知るために選んだ作品
作品から、もっと知る。
作品の知名度や画像の入手しやすさだけで選びません。紹介したい作品と、調べて分かったことをまとめました。画像を載せられるかどうかは、別に確かめています。画像の利用許諾を確認できていないものは掲載していません。
宣言、海上都市の計画、実際の建物から保存された住戸、建築模型という4つの役割を比べます。海上都市の図版がどの版か、模型がいつつくられたかなど、まだ解決していない点があります。代表画像セットの完成を示すものではありません。
01Metabolism : the proposals for new urbanism(都市への提案)
未来の町を、本で提案する。
どんな町をつくりたいか、言葉と図で伝えた本です。
実際に建った建物と、一緒に読む手がかりになります。
作品の所蔵元・解説ページで見る ↗原作品:個別ページに© Bijutsu Shuppan-Sha Co., Ltd.と明記 / 複製:M+掲載図版の商用再利用許諾は未確認。閲覧予約可能の表示は転載許可ではない。
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明
宣言・出版物
発行:美術出版社(M+個体記録)/複数の提案者による宣言 / 1960(M+ CL.2019.7.1)
この運動は、建物の形が似ていることだけでは説明できません。未来の都市の姿を言葉と図で伝えた出版物を、実際の建築と並べて見ます。
M+図書館特別コレクション所蔵です。記録のメーカー欄は出版社を示しています。一人の著者や、すべての図版のデザイナーを示す欄ではありません。表紙・見開きの画像の採用と、著者ごとの寄稿範囲は未確認です。
02海上都市1963
町を、海の上へ広げる案。
海の上へ町を広げることを考えた計画です。
実際にそのまま建った町を示すものではありません。
作品の所蔵元・解説ページで見る ↗原作品:未確認 / 複製:当該掲載図版の商用許諾未確認
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明
未実現の都市構想
菊竹清訓 / 1963年の計画/掲載図版の媒体・制作時期は別途確認
都市を海上へ広げていく構想です。実際に建てた建築とは違う、大きな規模の提案として見ます。
森美術館は1963年の計画として紹介しています。NAMAの展示資料表でも、1958案や1960年の「うなばら」とは別の行に記録されています。ただし、展示図面のアイテム番号と模型の制作年は特定できていません。計画した年を、後から作った模型や複製の制作年には使いません。完成した都市とも表示しません。
03中銀カプセルタワービルのカプセル A1305
一つの住まいを、取り外せる形に。
建物を支える大きな骨組みに、一戸ずつの住まいを付ける考え方です。
取り外せるようにする案と、実際に使い続ける難しさの両方を考えられます。
作品の所蔵元・解説ページで見る ↗原作品:建築・設計作品の地域別利用条件未確認 / 複製:MoMAの個別ページは画像利用についてArt Resource/Scalaへの申請を案内。商用許諾取得なし。展示室や別住戸の写真をA1305の原状写真としない。
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明
実現建築・住戸ユニット
Kisho Kurokawa Architect & Associates/Kisho Kurokawa、Nobuo Abe、Aiko Mogi、Koji Shimosawa、Kenjiro Ueda、Gengo Matsui(MoMA記録) / 1970–1972/2022–2023年修復(MoMA 73.2023)
建物全体を支える構造と、取り外しを想定した一戸ごとの住まいの関係を見ます。構想と、実際に維持・保存する難しさを比べられます。
MoMA 73.2023。建物は1972年に完成し、2022年に解体されました。A1305の修復には、ほかの住戸から回収した部品も使われています。展示用の小物は、広告資料をもとに配置されました。25〜35年ごとに住戸を交換する構想は実現せず、住人によって使い方も変わりました。
04作品の内容を説明する見出し
建物の考えを伝える立体の模型
原題:Golgi Structures, project
模型で、建物の案を伝える。
建物の考えを、立体の模型で表しています。
文章や平らな図では分かりにくい形も、伝えられます。
作品の所蔵元・解説ページで見る ↗原作品:建築構想・模型の地域別利用条件未確認 / 複製:MoMA個別ページはArt Resource/Scalaの許諾窓口を案内。写真の商用許諾取得なし。
商用利用:未確認・掲載不可 / 画像採用:未採用
作品の記録と、詳しい説明
建築模型・構想の立体化
槇文彦/模型製作:Atsushi Tokushige(MoMA表記) / 1967(館の作品年)/模型の独立した製作年は未確認
立体模型で、建築の構想を伝える例です。宣言、都市を描いた図、実際の建築の部品とは異なる役割を見ます。MoMAがメタボリズム建築に分類している具体的な収蔵資料です。
MoMA 416.1996。材料はプレキシグラスとアクリルで、14.6×32.4×27.6cmです。図面や完成した建築ではありません。館の1967という表記を、別に確認できていない模型の制作年や、1996年の制作へと読み替えません。具体的な形の観察は、画像を実際に見てから追加します。
もう少し知る:時代や、つくり方の話
どんな時代に、何をつくった?
建物や都市が、生き物のように成長し、作り替わるとしたら。メタボリズムは、一度完成して終わる物ではなく、成長・更新する仕組みとして建築や都市を考えた運動です。都市の構想図、出版物、実験的に建てた建築を、分けて読みます。
戦後の復興から高度経済成長へ向かう日本で、よりよい生活や都市の姿が探られました。1960年の宣言『METABOLISM/1960 — 都市への提案』は、重要な出発点です。丹下健三(たんげけんぞう)の影響を受けた若い建築家たちの活動と、丹下自身による関連する計画は、分けて扱います。
01 — LOOKING CLOSELY 識別は、個別作品との照合から。
以下は観察のための問いです。すべての作品に共通する固定ルールや、未取得画像の実見結果ではありません。
COLOR色と、使った材料
運動全体に共通する決まった配色はありません。模型や計画図で説明のために付けた色と、実際に建った建築の材料の色を、分けて確かめます。
TYPE文字をどう見せる?
共通するフォント(文字のデザイン)で見分ける運動ではありません。宣言や計画図では、文字・図・記号が、都市への提案をどう伝えるかを見ます。
FORMどんな形で、どうつくる?
中銀(なかぎん)カプセルタワーでは、建物を支える二つの構造と、140の住戸カプセルに注目します。建物全体と、一つひとつの単位の関係が見えてきます。カプセルを交換できるように考えた設計ですが、実際に定期交換が行われたわけではありません。
COMPOSITIONどこに、どう置く?
完成した形だけでなく、どの順番でつなぎ、広げるかや、交通との関係を読みます。図面に描かれた将来の姿と、実際に建った部分は区別します。
COMPARE
似ているところ、違うところ。
同じ単位を組み合わせる「モジュール建築」や、巨大な構造を使う建築のすべてが、メタボリズムではありません。誰が、いつ、何を提案し、宣言や運動とどう関わったかを確かめます。「交換できるようにする」という考えを、「実際に交換した」という実績と取り違えないようにします。
項目を横に並べる ↗READ TODAY
環境への広がりと、後の時代の見方
森美術館の2011年展は、1966年の「空間から環境へ」展、1970年の大阪万博、海外の都市計画までを関連付けました。建築に加え、環境・アート・デザインのつながりを考える手がかりになります。ただし、現在の建物の状態や、快適さ・省エネルギーなどに関わる環境性能は、個別の確認が必要です。