DESIGN LINEAGEデザイン表現史RESEARCH EDITION
PRIMARY SOURCES / WORKS

作品・制作の例3件を紹介しています。実作品画像1点、参照・関連画像0点。画像の収集は継続中です。

絵画の運動・教育をめぐる流れ

ベンガル派

Bengal School

時期
19世紀末の前史/20世紀初めを中心に展開
地域
インド・ベンガル地方を中心に各地へ

国への願いを、一人の姿にこめる。

淡い色の絵に、四本の腕をもつ人物が立っています。

《バーラト・マータ》は、国を母親の姿で表した絵です。

ベンガル派の画家たちは、イギリスの支配下で、ヨーロッパの描き方をお手本にするだけではない絵画を探しました。

「派」は考え方をともにする人々の流れを指し、一つの学校の名前ではありません。

実作品を見る

淡い黄緑の背景に、だいだい色の衣を着た四本腕の人物。手に白い布、本、数珠、穀物を持つ。

母なるインド(バーラト・マーター)

アバニンドラナート・タゴール / 1905年

四本の手は、何を伝える?

白い布、本、数珠、穀物を別々の手に持っています。持ち物の違いから、国に必要なものへの願いを読み取れます。

人物の周りの空きにも注目。

建物や人混みを描かず、中心の人物を淡い色が囲みます。顔と四本の手へ目が向かいます。

Abanindranath Tagore, Bharat Mata, 1905. Victoria Memorial Hall, RBS27ANT. Image via Wikimedia Commons, PD-Art.

出典で作品・資料を見る ↗
画像の記録と、利用条件

Public domain / PD-Art

Commons個別ページ:作者1951年没、原産国および死後70年以下の地域でPD。米国は1931年以前の公表を根拠にPD。

保護期間を終えた平面作品の忠実な複製として、CommonsがPD-Artと表示しています。

原画像を切り取らずに掲載しています。

全法域での権利保証ではありません。

画像の利用条件 ↗

全体を残した縮小とWebP変換。色や構図は変更していません。

作品・制作の例を見比べる。

01

母なるインド(バーラト・マータ/Bharat Mata)

水彩・ウォッシュ

四本の腕をもつ母の姿に国を重ねた水彩画です。持ち物と人物の描き方から、絵が社会への願いを伝える仕組みを考えます。

作品・資料の出典を見る ↗
作品・資料の記録を読む

作品名(出典表記):母なるインド(バーラト・マータ/Bharat Mata)

アバニンドラナート・タゴール / 1905年 / 水彩・ウォッシュ

この作品一つで、すべての活動を代表するわけではありません。

02

船頭クリシュナ(Krishna, the boatman)

水彩

「ウッタルゴーシュタ」連作の水彩画です。運動が広く展開する前の制作と、後年の国を表す絵を比べる入口になります。

作品・資料の出典を見る ↗
作品・資料の記録を読む

作品名(出典表記):船頭クリシュナ(Krishna, the boatman)

アバニンドラナート・タゴール / 1895–1897年 / 水彩

ベンガル派の前史に位置する作品です。1905年の政治状況をこの絵へそのまま当てはめません。

03

サティー(Sati)

紙にウォッシュとテンペラ

薄い色を重ねる技法と、インドの小さな細密画(さいみつが。細部まで描いた絵)の表現が結びつく例です。師タゴールから何を学び、どう変えたかを考えられます。

作品・資料の出典を見る ↗
作品・資料の記録を読む

作品名(出典表記):サティー(Sati)

ナンダラル・ボース / 1907年 / 紙にウォッシュとテンペラ

この作品一つで、すべての活動を代表するわけではありません。

もう少し知る:背景と、つながり

どんな背景で生まれた?

中心となったアバニンドラナート・タゴールは、昔のインドの絵画から新しい表現の手がかりを探しました。

教え子ナンダラル・ボースの《サティー》には、日本の絵画で使われる、薄い色を重ねる描き方との交流も見られます。

伝統を大切にすることと、外国から学ぶことは、必ずしも反対ではなかったのです。

作品をよく見るための手がかり

色

《バーラト・マータ》では、だいだい色の衣服と淡い背景を見比べます。すべての作品がこの配色なのではありません。

文字

主に絵画の流れなので、共通の書体はありません。署名や作品名に使う言語も、一点ずつ確かめます。

形・素材

四本の手に持つ本、布、穀物、数珠(じゅず。祈りに使う玉のつらなり)には意味があります。ただの持ち物として見ず、国への願いをどう表すか考えます。

どこに、どう置く?

人物を中央に置き、その周りに空きを残しています。《サティー》では、人物が背景からどのように浮かび上がるかを比べられます。

ほかの表現との、つながり

同じ時代のインドの絵画すべてを、ベンガル派とは呼びません。また、シャンティニケタンの学校やそこで育った多様な制作とも、重なる部分と違う部分があります。

いま、考えてみること

国や地域らしさは、初めから一つに決まっているのでしょうか。画家が何を選び、何を描かなかったかにも注目すると、絵と社会のつながりが見えてきます。

調べた資料

  1. インド文化省/ヴィクトリア記念堂 ↗
  2. インド文化省/ヴィクトリア記念堂 ↗
  3. インド文化省/国立近代美術館ニューデリー ↗
  4. メトロポリタン美術館 ↗
  5. ウィキメディア・コモンズ ↗

選んだ作品と資料から入るための紹介です。全作家・全時期を網羅するものではありません。

作品・制作の例3件を紹介しています。実作品画像1点、参照・関連画像0点。画像の収集は継続中です。