ジャックを追い出す声が、東ベルリンまで届く。
Ray Charlesでおなじみの「Hit the Road Jack」。Dorothy Ellisonの盤を開くと、アメリカの歌手と東ドイツのジャズ奏者が向かい合っている。ヒット曲の別解釈であると同時に、冷戦期の音楽交流が刻まれた一曲だ。
- 発売年
- 1965年
- 国・活動圏
- アメリカ / 東ドイツでの録音
- 参照盤の発売国
- 東ドイツ
- ジャンルの手がかり
- ヴォーカル・ジャズ / R&B
- 参照したレコード
- Jazz mit Dorothy Ellison & dem Manfred Ludwig-Sextett — AMIGA / 8 50 047
- 制作・録音年
- 1964年12月4日、ベルリン
1964年は録音年、1965年は参照LPの発売年。1964年表記のEP出品もあるが、初出年の確証は未取得。
1964年12月、ベルリンのスタジオで
AMIGAの盤目録は、この曲の録音を1964年12月4日、ベルリンと記す。LPの発売は1965年。録音と発売にまたがる二つの年を分けると、1964年盤という販売情報だけでは見えにくい時間の順序がはっきりする。伴奏はManfred Ludwig-Sextett。歌手だけでなく、盤に併記された楽団名にも目を向けたい。 [1] [2]
R&Bのヒットを、ジャズのレパートリーに
作者はPercy Mayfieldで、Ray Charlesの1961年のヒットが広く知られる。Ellisonの歌唱を扱ったHarald Kisieduの研究は、彼女をアフリカ系アメリカ人のコントラルト歌手と位置づけ、同楽団の録音活動を東ドイツのジャズ史の中で論じている。流行歌を借りることで遠い現場とつながるレコードでもある。 [3] [4]
掛け合いの主役を探す
題名の一節が繰り返されるたび、返事をするのは声なのか、楽器なのか。その受け渡しを数えながら聴いてみよう。前曲The Peddlersの「Irresistible You」と続けると、R&Bの題材が歌手と編成によってどう変わるかも楽しめる。国別に棚を分けるだけでは出会えない、MIXならではの隣り合わせだ。
聴き方の提案は、この曲を楽しむための鑑賞ガイドです。
関連曲を、棚の中から。
出典と資料メモ
年は確認できた最も早い発売年を採用。活動国と盤の発売国、再発年は分けて記録しています。
- Lied der Zeit — AMIGA 850 001–850 099 ↗
850 047の年・曲順・各曲の録音日。
- Deutsche Mugge — Manfred Ludwig ↗
1965年のLP発売と楽団の活動。
- Harald Kisiedu — Jazz Experimentalism in Germany, 1950–1975 ↗
Columbia大学公開の研究。歌手の背景と録音活動。
- SecondHandSongs — Hit the Road Jack ↗
Percy Mayfield作品、Ray Charles版の1961年発売。
資料確認日 2026-10-26 · 解説は確認資料の範囲で更新します。