# Stop Smokin' That Shit (Vocal)

<!-- ARTICLE_METADATA -->
正規URL: https://djnaoyaman.github.io/cratediggin/tracks/kmd-stop-smokin-that-shit-vocal.html

著者: [DJ Naoyaman](https://djnaoyaman.github.io/cratediggin/editor.html)

記事公開日: 2026-10-17

記事更新日: 2026-10-18T04:09:56+09:00（記事データのGit改訂記録）

解説確認日: 2026-10-17
<!-- /ARTICLE_METADATA -->

KMD / 1999 / New York

## しまわれたアルバムから、街へ戻った一曲

1999年12月、Oliver WangはFondle ’Emの12インチを、Subroc「Sounded Like a Roc」とKMD「Stop Smokin’ That Shit」のカップリングとして評している。B面を初めて聴いたと記したその反応には、後世の名盤紹介にはない時間差がある。録音が出来上がったときと、リスナーが新しい曲として受け取るときは同じではない。このシングルは、その隔たりを埋めた一枚だった。

KMDの二作目『Black Bastards』は1994年に予定されながら発売されず、Subrocを失ったZev Love Xが、その音楽を後へ運ぶことになった。現在の公式デラックス版は本編だけでなく、ラフ音源や別ヴァージョン、インストも併せて残している。「Stop Smokin’ That Shit (Vocal)」はそこに4分46秒で置かれ、本編の「Smokin’ That S*@%!」とは別の曲目を持つ。完成したアルバムだけを遡っても見えない、シングルとしての来歴が残る場所だ。

この曲の周囲には、KMDの外にもつながる人の輪がある。Brian Colemanの聞き取りでは、Bobbito Garciaが「Smokin’ That Shit」を自分たちのラジオ番組でかけた理由として、参加していたKuriousとLord Searとの交友を挙げている。曲はまず顔の見える関係の中を動き、その後、同じBobbitoのFondle ’EmからKMDの録音が届く。MF DOOMの前史というだけでなく、仲間が録音を聴かれ続けるものにした物語でもある。

## 制作背景

### 1999年のカップリング盤

Oliver Wangの1999年12月のレコード評は、Fondle ’Em盤をSubroc「Sounded Like a Roc」／KMD「Stop Smokin’ That Shit」の組み合わせとして紹介している。

<!-- SOURCE_REFERENCES -->
参考資料: [Oliver Wang — 1999年12月のシングル評](https://oliverwang.net/groove/groove12-99.html)
<!-- /SOURCE_REFERENCES -->

### デラックス版に残る三つの曲目

公式デラックス版には「Smokin’ That S*@%!」4分40秒、「Stop Smokin’ That Shit (Vocal)」4分46秒、「Stop Smokin’ That Shit (Instrumental)」4分37秒が別々に収録されている。

<!-- SOURCE_REFERENCES -->
参考資料: [KMD / Metalface — 『Black Bastards』デラックス版](https://k-m-d.bandcamp.com/album/black-bastards-deluxe-edition)
<!-- /SOURCE_REFERENCES -->

## サンプル元



## 出典

- [KMD / Metalface — 『Black Bastards』デラックス版](https://k-m-d.bandcamp.com/album/black-bastards-deluxe-edition)
- [MusicBrainz — KMDの作品一覧](https://musicbrainz.org/artist/543edda0-d61e-4698-97fa-1f34a1322d20)
- [Oliver Wang — 1999年12月のシングル評](https://oliverwang.net/groove/groove12-99.html)
- [Brian Coleman — 『Black Bastards』をめぐる関係者証言](https://medium.com/cuepoint/check-the-technique-kmds-black-bastards-and-the-birth-of-mf-doom-1849f4c0a6f4)
- [Stones Throw — MF DOOM取材記事「Imminent Doom」](https://www.stonesthrow.com/news/imminent-doom/)

## KuriousからBobbitoへ、KMDとDOOMを結ぶ人脈

Colemanによる『Black Bastards』の聞き取りは、「Smokin’ That Shit」の参加者としてKurious、Earthquake、Lord Searを挙げる。Bobbitoは、KuriousとSearが親しい仲間だったためWKCRの「The Stretch & Bobbito Show」で曲をかけていたと説明する。これは後年の再評価の言葉ではなく、誰が誰の音楽を電波に乗せたかという具体的な関係の証言だ。

Stones Throwが掲載したMF DOOMの取材記事でも、KuriousがDOOMとBobbitoを結びつけた経緯が語られる。Fondle ’Emは1997年に「Dead Bent」を出し、1999年にはKMDの旧録音もシングルとして届いていた。新しい仮面の名義と、かつてのグループの名前。その二つを分断せずつないだものの一つが、共演とラジオから育った同じ人脈だった。

参考資料: [Brian Coleman — 『Black Bastards』をめぐる関係者証言](<https://medium.com/cuepoint/check-the-technique-kmds-black-bastards-and-the-birth-of-mf-doom-1849f4c0a6f4>)

## 兄弟の制作を、DOOM一人の前史に縮めない

『Black Bastards』のエンジニアRich KellerはColemanの取材に対し、二人がサンプラーに音楽を入れて持ち込み、自分は技術面や部分的な演奏を助けたが、アイデアはDOOMとSubrocのものだったと回想している。Pete Niceも、二作目ではSubrocがラップと制作の両方で前へ出てきたと説明する。後年の知名度から、KMDを若いDOOMのソロ作品のように読むのは、この共同性を取り落とす。

1999年のシングルで片面がSubroc名義になっていることも、その存在を意識する入口になる。一方、公式デラックス版にあるVocalとInstrumentalは、兄弟が作った音楽を声のある形とない形からたどれる配置だ。個々の担当を未確認のまま割り振るより、Subrocの独立した仕事とKMDとしての仕事が同じ盤に隣り合っている、その並び自体を大切にしたい。

参考資料: [Brian Coleman — 『Black Bastards』をめぐる関係者証言](<https://medium.com/cuepoint/check-the-technique-kmds-black-bastards-and-the-birth-of-mf-doom-1849f4c0a6f4>)
